色かけの基本的な考え方・有効な使い方

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クリーニング業においてお客様の要望によりシミ抜きをした場合、どうしても脱色・変色はつきまとうものであり、又 保管中の日焼け・変色・家庭用薬剤の塩素による脱色など色々なケースがある。色かけをするにあたり、基本的に次のことがあげられる。
①色かけを行う場所
②色かけを行う方法
③色の合わせ方
④繊維による色かけ薬剤の使用方法

①における場所においては太陽光線の当る場所で行うのがベスト、暗い場所で行なっても明るい場所で見ると全然色が合っていないこと
が多いし色ムラも生じる。シミ抜き台で色かけを行う場合は大きくても1㎝以下の色かけしか出来ない。②色かけの方法としては、筆・ミニスプレー・綿棒(太さにより使い分ける)・エアーブラシなどで使い分ける。筆は色かけ部分が小さい場合
に適合する。筆は毛筆のようにぬらした時、先が広がらず細い方がよい。広がるものはきわの修正がやりにくい。
ミニスプレー(のどスプレーのように細かい霧状になるのが望ましい。)は大きく脱色した時に中心から色かけする時に便利である。
綿棒は筋状に抜けたもの、ダウン等のきわ塗りに役立つ。筆は、染料が布地に流れにじみやすいが染料が綿棒にとどまり余分に流れにくいのでにじまない。エアーブラシは全体にかけて修正する時に役立つ。③色の合わせ方は適度な濃度で地色と比較する。濃すぎると見た目に黒くなるためわかりづらく又、淡すぎても分かりにくい。透明カップで
色を判別する。(別写真参照)50色セットであれば近い色を取り比較し、黒・赤・紫・緑・青などの色を少しずつ入れて調整して色を合わせる。attachment01 

染料と顔料の使い分は、抜けた色の差によって判別する。色の差が激しい場合は顔料でしか直らないケースが多いし、修正スピードは100倍以上染料よりも早くなる。ただベージュ系統は染料を用いるケースが多い。(顔料は鮮やかになりすぎる)

松井化学 顔料セットは粒子が細かく染料感覚で使用でき、補色を利用できる。例をあげて説明すると黒の色の補正は、ほとんど顔料でしか直らない。黒の色は、よく観察すると青っぽい黒・緑っぽい黒・赤っぽい黒があり、(毛染めでもブラックはモスグリーン色の黒です。)
日焼け、変色、塩素による脱色などで赤っぽくなったものを黒く修正する場合、抜けた赤の部分の色により変わり、オレンジ色は青、濃い赤(えんじ色)は緑を黒に配合して色かけする。又黒以外の変色でも赤っぽくなって脱色している事が多くある。この場合、補色を使い青系統の色をかける事が多いが緑色になったりして色が合わない。実際に色かけするにあたり赤が足りない場合が多く青と紫を1:1に混合した色で色をかけると90%以上の確率で修正できます。
(松井化学 染料色かけセットでは25番

④薬剤の使用方法は、松井化学 50色セットの染料は直接染料で、シルク・ウール・ナイロン・綿に使用できる。
色がのりにくい場合はアクリルシリコン樹脂を混ぜ使用すれば濃くできる。
ポリエステルなどに色をかけるには染料又は顔料にアクリルシリコン樹脂を配合して使用する。
顔料セット内にアクリル樹脂・シリコン樹脂・アクリルシリコン樹脂・ポリエステル樹脂を用意しています。
アクリルシリコン樹脂・・・一般衣料・革製品などに使用。
アクリル樹脂・・・接着用樹脂として使用(剥離したものを接着する)
シリコン樹脂・・・ゴムびき製品(モンクレールのダウン)など又はウレタンの剥離修正。
ポリエステル樹脂・・・シリコン樹脂と同様ですがさらっと仕上る。

次回、又商品紹介で色々なケースの修正方法を紹介します。

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