松井化学のシミ抜き剤
今回は、改めて松井化学のシミ抜き剤についてのまとめです。
「K‐1」は、油性シミ抜き剤です。主な油性シミには
油・口紅・ファンデーション・ペンキ・絵具などがあります。
通常、油性シミ抜き剤は酢酸イソアミル・シンナーなどの
溶剤を主体としていますが、これらの溶剤は揮発性が高く
すぐに気化してしまいます。
しかし、「K‐1」は揮発性がないため、より安全な処理が
可能となります。
例えば、ペンキのシミを除去する場合、油性シミ抜き剤を塗り
シミ抜き溶剤で上から流し出します。これでは、ペンキの顔料が
繊維の中に入ってとれなくなり失敗します。
一方、「K‐1」で処理する場合、ペンキのシミ部分に塗り
10分放置(樹脂が溶解する時間が必要)後、その部分を水道水で
洗い流せば完全に除去できます。
また、シミ抜き溶剤で洗い流す場合は、ガンを上から打つのではなく
繊維の中に入り込まないよう、45℃の角度で横に流すように
するのが大切です。
「トリオ」と「ピンキー」は同系統のシミ抜き剤ですが
「トリオ」は、あらゆる繊維に使用でき、事故が起きないため
パートさんがシミ抜きをする場合でも非常に安全です。
主に油性・水溶性・移染の除去に使用します。
「ピンキー」は、「トリオ」の強力版です。インクの爆発や
ポケットのインクのシミはピンキー原液を湯せんし、50℃程度に温め
その中にシミの部分をつけておくと簡単に除去できます。
アクリル繊維・アセテート・合成皮革への使用は溶解するので注意が必要です。
「ブラットール」と「クイック酵素」は血液を30分以内に除去する事を
目標に開発した商品です。
ただ血液の処理だけでなく、食べこぼし・タンパク質汚れの除去に
関しても効果があります。特にネクタイのほか、染色の弱い商品は
漂白すると、すぐに脱色しますが、「ブラットール」・「クイック酵素」の
組合せでは全く脱色せずに除去でき、あらゆる繊維に対しても使用出来ます。
「テトラ」は、油性汚れや水溶性汚れ、色素、タンパク汚れなどの除去に
万能で低コストなシミ抜き剤として幅広く使用できます。
シミ抜き工程の一番最初に使うことで、できる限り安全かつ失敗しないように
工夫された新しいシミ抜き剤です。
「テトラ」を使用するにあたり、タンパク系の黄変、一般の汚れに対して
「テトラ」と「ラストカット」のコンビで処理すれば9割以上の黄変は
取れることになります。
「テトラ」で油汚れ、タンパク汚れ等ある程度取れます。
残ったタンパクの黄変は「ラストカット」の酸性処理により水に溶ける形になり
すぐに流れます。今までの黄変は漂白処理で行っていましたが
ほとんど漂白処理をしなくても取れます。
血液にしても「テトラ」で綿棒などで上からたたいていくと、どんどん溶解します。
血液の輪ジミが動いた時点で水で流せば除去できます。
残った場合「ラストカット」でかなり流れます。
ボールペン、マジック等も「テトラ」で効果があります。
革製からの移染は「テトラ」が一番取れます。
①通常の漂白処理
「シミナックスα」と過酸化水素を1:1に混ぜ2倍に薄めたものを塗り
スチームガンで漂白します(漂白処理は無理をしない)。
「ラストカット」は、サビの場合は原液で使用、漂白処理の後は水で10倍に
薄めたもので処理します。
フッ化水素系サビ取りと異なり、揮発性がないので必ず水でよく濯ぎましょう。
これで結構、黄変は除去できます。
②ワキなどの黄変処理
「シミナックスα」と過酸化水素1:1のものを水で10倍にワキの黄変部分に
スプレーしたあと薄めたものを家庭用スチームガンで処理します。
シミ抜きで何時間もかかるものが一分程度で処理が終わります。
残った黄変はぬるま湯にラストカット0・2%入れつけ込みます。
③放置によるシミ抜き
色がはげやすい場合は「シミナックスα」と過酸化水素を9:1に混ぜた液を
塗って放置し、30分程で濯ぎます。
コストを考えて「シミナックスα」と過酸化水素を1:1に混ぜ、水で5倍~10倍に
うすめ放置漂白も出来ます。
④カビの除去
通常の条件でカビは除去できます。また、全体にカビがある場合は1:1に
混ぜたものを水で10倍に薄めスプレーし放置
(黒カビや、こげ茶色のカビはオレンジ色を経てレモン色になり、そのあと無色化する)。
漂白の際に黄色く残った色素は「ラストカット」での除去が効果的です。
ラストカットでのつけ込みを行う場合、35℃~40℃の水にラストカット0・2%(10ℓに対して20㏄)
を入れ15分~20分つけ込んだのち水で濯ぎます。