春のシーズンを迎えるにあたり防虫・防ダニ加工は長年要望が増え、今や加工の定番となりつつあります。

防虫・防ダニ加工についての条件は
   ①単価が低コストでできる。
   ②加工方法が簡単でクリーニング屋さんの望む方法で加工を変える事ができる。
   ③薬剤が人体に対し安全であり無臭であること。
   ④効果が安定、持続性がありクレームが少ない。
ということがあげられる。

現代の衣類害虫は、季節に関係なく一年中活動し衣類を食べます。
一般的な衣類害虫には「ヒメカツオブシムシ」「ヒメマルカツオブシムシ」「コイガ」「イガ」が挙げられます。
衣類を食べるのは、幼虫だけで、外に干している白い洗濯物などに付いて室内に侵入し、
孵化した幼虫の食料となるウールなどに卵を産み付け、卵からかえった幼虫は衣類を食べ続けます。
衣類の被害のほとんどが、「ヒメマルカツオブシムシ」によるものです。
多い時は約1週間で体重の2~3倍の量を食べると言われています。
衣類を食べる幼虫には好き嫌いがあり、食べるもの(天然繊維)と食べない物(化学繊維・人工繊維)があります。

繊維を食べる虫の好物の順位は
1位 ウール(羊毛)
2位 絹  (シルク)
3位 綿  (木綿・コットン)
となっております。

一方、ポリエステル・アクリル・ナイロンなどの化学繊維は、基本的には食べませんが、化学繊維に
人間の汗や皮脂がついていた場合は別。幼虫は動物性タンパク質が大好物なので化学繊維に汗や皮脂が
ついていた場合、本来食べないはずの化学繊維部分を一緒に食べてしまうのです。

それぞれ薬剤で効果は違います。成分を大きく分けると揮発性と不揮発性があり、家庭用は揮発性かつ
速効性があるため、蚊・ハエ・ゴキブリの駆除に、あとに残らないタイプのものが多く使用されます。

一方、衣類用の防虫剤は揮発性が遅いものや無いものが多くなります。
それでもガス化して効果のあるものの代表としてはナフタリンなどがあります。
しかしタンスに衣料をしまっている場合、密閉性が高いと効果はあるが、開け閉めの多い場合はかなり
効果が低くなってしまいます。

人体に安全な防虫剤
松井化学の防虫剤は、ピレスロイド系防虫剤で揮発性がなく無臭で人体への安全性が高い。
防虫加工の使用条件としては、人体に対して安全であること、変色しないこと、臭いがないことが
重要となります。また、不揮発性の物質ですので防虫効果は次回クリーニング時まで持続します。

 

「モス原体」は、

水溶液ですので水中のつけ込み、水希釈スプレーで加工できます。
カタログでは、ドライ用全品加工としていますが、基本的には新液の石油には溶けません。
ソープが入っておれば可溶化し溶けるようにしています。使用するソープとしては、
MC-セレクションBW・クリーンCA-SPがあります。
使用する際、ドライ溶剤100ℓに対してモス原体30ccを溶かしこむと全品加工になります。
水につけ込む場合は4000倍希釈(水40ℓで10cc)。
スプレーする場合は、400倍に水で希釈してスプレーする。多少のムラ付きはあっても結構ですが
表裏にスプレーして下さい。

 

モスコンク」は、

モス原体を利用して石油に溶解できるようにしたもので、
濃度はモス原体を100%とすれば50%です。
乾燥機でのスプレー加工で使用します。
モスコンクを石油で200倍に薄めたものを一着当たり40ccスプレー)
ベースタンクから石油を汲み上げてのバッチ加工も可能です。
(汲み上げ溶剤50ℓに対してモスコンク25ccを添加)
防虫効果としては、全品加工の場合、約70%の効果。乾燥機によるスプレー加工は
90~95%、バッチ加工はほぼ100%に近い効果になります。

 

点数が少ない場合にはモスリペラント」

石油で10倍に薄めてスプレー加工がおすすめ。加工コストで考えると、
モス原体を使用した全品加工の場合は一点当たり1.5円、モスコンクを使用したスプレー加工は
3~4円 いずれにしても防虫加工依頼品をまとめて処理するとコストの低減になります。

 

その他、ソープに防虫・防ダニを配合した防虫剤配合MC-セレクションBなどがあります。
防虫加工を始めるときは防虫剤配合ソープを溶剤全量に対して0.5%添加
(100ℓに対して500cc加える)またはモス原体で使用して初期濃度調整を行う必要があります。