「顔料セット」・「色かけ染料50色セット」

- 顔料セットの特長 -

一般に販売されている顔料は絵具であり材料の構成は
「顔料」・「樹脂」・「シリカ」・「増粘剤」が配合されている。

顔料は粒子の大きさがいろいろあり粒子の大きいものは遮蔽力があるが繊維に使用する場合、
自然性に欠ける。細かいものは染料感覚になる。

樹脂はアクリル樹脂、ウレタン樹脂などエマルジョンのものが添加されている。
硬さ、耐久性は樹脂により左右される。ただクリーニングに使用する場合、樹脂が入っていると色目が変わり
染料のように色調整ができない(赤に樹脂を混ぜるとピンク色にみえる)。
乾かさないと色が分からない。

シリカは筆ぬりした場合、筆によるテカリが生じるので添加しているが、光沢のある、光沢を必要とする
修正には使用できない。

増粘剤は顔料の沈殿などをおさえるため粘度を上げペースト状にしている。
これらの事を考え松井化学では、全ての材料を別にして用途により必要なものを添加するようにしている。
色調整は染料と同様に望みの色を合わせたあと風合いにあった樹脂を添加する。
光沢のある無しによりシリカの添加を調整する。
エアブラシを使用する時は一般的にシリカは添加しません。
松井化学の顔料はナノミクロンの細かい粒子なので水で薄めても染料のように沈殿しません。
一般的な加工において樹脂としては、ほとんどアクリルシリコン樹脂を使用しますが、ゴム引き加工、
ウレタンなどの加工においてはシリコン樹脂、ポリエステル樹脂を配合して使用します。


■色かけの基本的な考え方

シミ抜きは、どうしても脱色・変色がつきまとう。
さらに保管中の日焼け・変色・家庭用薬剤による脱色など色々なケースがある。

色かけをするにあたり重要な点は次の4つが挙げられる。

①色かけを行う場所
②色かけを行う方法
③色の合わせ方
④繊維による色かけ薬剤の使用方法

①については、陽の光が当たる場所が良い。暗い場所で行なうと明るい場所で見るのと全然色が
合っていないことが多く、色ムラも生じる。
狭いシミ抜き台で色かけを行う場合は最大でも1cm以下の色かけしか出来ない。

②については、筆・ミニスプレー・綿棒(太さにより使い分ける)などで使い分ける。
筆は色かけ部分が小さい場合に適合する。不では毛筆のように濡らした時、先が広がらず細かい方がよい。
広がるものは、きわの修正がやりにくい。
ミニスプレー(細かい霧状になるのが望ましい)は大きく脱色した時に、中心から色かけする時に便利である。
綿棒は筋状に抜けたもの、ダウンなどのきわ塗りに役立つ。
筆は染料が布地に流れにじみやすいが綿棒は染料がとどまり余分に流れにくいので滲まない。

③については、濃すぎると見た目が黒くなって分かりづらく、薄すぎても分かりにくいため、
透明カップを使う。
50色セットで、近い色を取って比較し、適度な色を少しずつ入れて調整する。
染料と顔料は抜けた色の差によって使い分けをする。
色の差が激しい場合は顔料を使う(ただし、ベージュ系統は鮮やかになりすぎるため、染料を用いる)。

④については、松井化学の50色セットの染料は直接染料で、シルク・ウール・ナイロン・綿に使用できる。
色がのりにくい場合はアクリルシリコン樹脂を混ぜ使用すれば濃くできる。
ポリエステルなどに色をかけるには染料又は顔料にアクリルシリコン樹脂を配合して使用する。